福岡高等裁判所 昭和24年(つ)60号 判決
被告人
橋本光雄
外一名
主文
本件控訴は何れも之を棄却する。
理由
被告人等両名弁護人の控訴趣意は末尾添付の控訴趣意書及追申書記載の通りだから、之に対し順次左の通り判断する。
控訴趣意書記載の趣意第一点について。
しかし共同正犯として処断するためには共犯者等が各自犯罪行爲を実行することを要せず二人以上の者がある犯罪を実行することを謀議しその謀議に基きその中の一人において実行々爲を担当敢行するときはその行爲者と共に他の謀議者全員を共同正犯者として処断するに毫も妨げはない。そうして原判決引用の証拠によれば被告人等両名の相互間に本件船具等窃盜の打合せが出來たので被告人橋本に於て之が実行を担当敢行したものであることを認定するに十分であるから所論の如く事実誤認はなく又被告人近藤の自白のみを唯一の証拠として同人を共同正犯と認めたものでもない。從つて論旨は理由がない。
以下省略